犬の表紙に誘われて買ってみました。
瀕死の子犬を偶然拾った女の子、その日は忘れ雪が降る日。”忘れ雪*1に願いをかければ必ず叶う”そんな祖母の教えを信じて回復の願いをかけていました。そこにたまたま通りかかった獣医を目指す学生がその子犬を助けます。
そして、別れの時を迎えて、7年後にまた同じ時間、同じ場所で再会を約束をします。
- 作者: 新堂冬樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/02/25
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (52件) を見る
恋愛小説はあまり読まないのですが、これはとても良かったです。お互いにすれ違い、真実を言いたいけど言えない、とてもはがゆくなってきます。そして切ないです。
忘れ雪は、この本では辞書での名残の雪…の他にも、こんな解説をしています。
「春に雪が降ったときに願い事をすれば必ず叶う。地面に触れた瞬間に消えゆく忘れ雪は、願い事を天に持ち帰って叶えてくれる。」
良い言葉ですよね。
*1:忘れ雪=雪の果て:涅槃会(ねはんえ) のころに降るといわれている、降りじまいの雪。雪の別れ。名残(なごり) の雪。忘れ雪。涅槃雪。[季]春。